拙攻・得点力不足の最大の原因と監督の責任



はじめに;リーグ戦3試合連続無得点


 開幕から10試合連続失点などという不名誉な記録を残したことからも明らかなように、開幕序盤は守備に大きな問題を抱えていたミラン。
 しかし一方で攻撃は比較的機能していました(10試合中9試合で得点)。

 シーズンも中盤に突入した現在。相手の拙攻やバカヨコの覚醒、ドンナルンマの復調などによってクリーンシートを達成する試合もちょくちょく出てきた一方で、攻撃においてはリーグ戦3試合連続無得点(暫定)という不振に陥ってしまいました。


 では、序盤戦は比較的機能していた攻撃が上手くいかなくなったのは何故なのでしょうか…?



拙攻の最大の原因


 様々な要因はありますが、中でも最近の得点力不足の最大の原因を僕なりに説明してみると、「ビリア、ボナベントゥーラといった中盤やエリア付近で違いを作れる選手が長期離脱してしまったことで、攻撃の単調さに拍車がかかってしまった」ということに尽きるかなと。

 以下、もう少し具体的に説明します。


 ボナベントゥーラはイグアインともピッチ上で良い関係を築けていましたし、何よりここぞという場面での決定力の高さがありました。
 また、スソ以外で崩しの局面に大きく貢献できていた数少ない選手でしたね。


 ビリアのゲームメイク能力とミドルシュートがなくなったのも痛かったと思います。現在はバカヨコがビリアの不在を補って余りある守備力を見せてくれていますし、あの屈強なフィジカルを活かした強引な縦への持ち出しはビリアにはできない芸当でしょう。

 しかし、こと攻撃面における貢献度(ロングパスや縦パスの精度・頻度・タイミングなど)はまだまだビリアの方が上だと感じますし、最近のミランの攻撃(特に4-4-2システムの際)に単調な攻撃が続くのはビリア不在の影響が大きいでしょう。



 続いて「攻撃の単調さに拍車がかかってしまった」という表現について。
 点の取れていた当時もスソの個の力に依存していた試合は多かったわけですが、それでもイグアインのボールを受けに下がりに来るプレーとボナベントゥーラの前線への飛び出しといったそれぞれのプレースタイルの特徴を噛み合わせた戦術的な攻撃の形が確かにありました(この点については、ガットゥーゾ・ミランの戦術的特徴について語ったこの記事で詳述しているため、未読の方はもしよろしければご覧ください)。

 しかしボナベントゥーラの離脱に伴いそういった攻撃の形が1つ減ったため、スソに依存する割合が更に増えた(≒攻撃の単調さに拍車がかかった)ということです。




長期離脱の理由


 そもそもなぜ、彼ら2人は長期離脱を余儀なくされたのかと言われれば、それはガットゥーゾ監督による酷使の影響が大きいでしょう。

 ここでいう酷使とは、もちろんほとんど休ませず先発起用したという意味合いも含まれていますが、ここで強調しておきたいのはピッチ上における酷使です。


 ビリア、ボナベンが健在だったころのミランが固定的に採用していた4-3-3システムでは、両インサイドハーフが積極的にCBにプレスをかけにいく関係上アンカーポジションの両脇に広大なスペースを空けてしまい、そこを相手に使われるという試合が何度もありました(こちらの記事にて詳述しています。よろしければご覧ください)。

 広大なスペースの担当を背負わされたビリアはそのカバーに走り回り、両インサイドハーフも前線へのプレス→プレスバックに奔走するという形が非常に目立ちました。

 こういった形は最後まで改善されず、その上ほとんどの試合で(特にビリアは)先発起用・フル出場していたものですから、疲労が溜まりに溜まっていつか爆発するというのは明らかでしたね。

 彼らと一緒に酷使されていた(もとい現在も酷使されている)ケシエが健在なのは、ひとえに彼自身の抜きんでた「怪我耐性の強さ」によるものでしょう。

 はっきり言って彼の頑丈さは異常なレベルです。チームにとってとても有り難い存在ではありますが、彼の健在を根拠にガットゥーゾ監督のこの采配を擁護することはできないでしょう


 ビリア、ボナベンの代役が実質的に不在だったという汲むべき事情はあり、その点についてはチーム編成の問題もありますが、彼らに過剰な負担をかけていた上記の戦術的問題の解決が見られなかったのはガットゥーゾ監督の責任だと思います。




終わりに;運命の懸かった2戦と解任の是非


 ここ最近のチームの内容・結果の不振に伴い、再び解任報道が浮上しているガットゥーゾ監督。

 『Sky』によれば、次のフロジノーネ、SPALとの2試合が彼の運命を決めるものになると報じています。


 …残念ながら、この状況では解任も致し方無いですね。


 ここまで述べてきたように、攻撃の不振は結局のところ彼の采配ひいては戦術的引き出しの少なさによるところが大きく、この点以外にも戦術家としての彼には疑問を呈すべき点がいくつもあります。


 まぁフロジノーネ、SPALとの戦力差は明白ですから、ひょっとしたら個人技のゴリ押しで勝つなんてことも充分に考えられます。

 しかし…それでガットゥーゾ・ミランが続くことで、中・長期的に見てプラスとなるか(もっと言えばCL権を獲得できるか)は…チームの現状を踏まえるとかなり厳しいといえるのではないでしょうか。
 もし解任するとすれば、ウィンターブレイク前のこの辺りの時期がベターだと思いますしね。


 ただし個人的に気にかかるのが、監督の後任有力候補がドナドーニとベンゲルという点です。
 ビッグクラブでの指揮経験が皆無の前者と、セリエAでの指揮経験が皆無の後者……どちらもガットゥーゾ監督より遥かに経験豊かな指導者ではあるのですが、どうも上手くいくとはあまり思えないんですよね…。

 まぁ実際のところやってみるまでは分かりませんし、今の閉塞感を打開する監督交代自体には賛成です。



 いずれにせよ僕の主張は、もしガットゥーゾ監督が解任されるとしても、残念ながらそれは納得できてしまう判断だということですね。



非常に長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。





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[ 2018/12/24 07:00 ] 考察 戦術 | TB(-) | CM(2)

ミランとして考えるべきは、シーズンが終わった時にCL出場権を獲得できるかどうかだと思います。
従って、怪我人の影響はあれどなんら改善しないガットゥーゾのサッカーでは限界がある。
なので、猶予と言われている2試合に勝ってガットゥーゾの首が繋がったとしても、シーズン最後までと考えると不安ですね。

仮に、ガットゥーゾのままで行くならスソ級の個人技を持った選手を補強するしかない。
その点でズラタンは完璧なターゲットでしたので、移籍の破談はかなり痛かったですね。。
[ 2018/12/24 16:35 ] [ 編集 ]

返信

コメントありがとうございます!

そうなんですよね…。
4位以内に入るには当然ながら下位チームとの対戦はそうそう落とせない。ですので次の2試合はどうしても勝っておくべき試合です。

しかしこの2試合を勝利したとして、今後ガットゥーゾ・ミランが順調に勝ち点を積み重ね4位以内に入れるかと言われると…最近の試合内容を見るに非常に難しいと言うほかありません…。



この体制で後半戦に挑むのであれば、独力で勝負できるウィンガーの獲得は少なくとも必須だと個人的には思います。

イブラが来てくれていれば少なくとも今の停滞感はだいぶ和らいでいたと思いますし、かえすがえすも残念です…。

[ 2018/12/25 07:17 ] [ 編集 ]

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