ミランの新エース、ピョンテクの得点力を支える能力について



ミラン移籍後5試合連続ゴール中のピョンテク。

もはやその勢いは止まる所を知らず、更なる記録更新に期待がかかります。


決して多くの得点チャンスを与えられているわけではない現状において、なぜこれほど多くの得点を彼は挙げることができるのでしょうか?


今回は彼のゴールシーンから、その理由を探っていきたいと思います(※今回引用する画像元は、いずれもYoutube『SerieA』の提供するダイジェスト映像より)



VSローマ


最初は、ローマ戦で決めたゴールについて。


ピョンテク1

サイドでパケタ(黄)がボールを奪いにかかる一方で、エリア内にいるピョンテク(赤)は自身のマーカーの位置を確認(白矢印)しつつ、エリア中央へと移動します。



ピョンテク2

パケタがボール奪取に成功。その際にピョンテクはマーカーのファシオ(20番)の真横にポジショニング。

ファシオはこの状況でボール(パケタ)とピョンテクを同時に視野に収めることができません。



ピョンテク3

パケタからのクロスに対し、ファシオの前へと飛び込むピョンテク。

ファシオの意識はボールに向いているため、横(背後)から来たピョンテクの動き出しに対処し切れず。



ピョンテク4

ファシオに競り勝ち、クロスボールをダイレクトで合わせてゴールネットを揺らしました。



上記の一連の場面の映像はコチラになります。







VSアタランタ


ピョンテク5

リカロド(緑)がアーリークロスを放つ場面。この時点でピョンテクは対面のDFの背後に位置しています。



ピョンテク6

クロス直後にピョンテクは相手の前へと入り込み、完璧なダイレクトシュートでネットを揺らしました。



上記の一連の場面の映像はコチラです。




これを見ると、実は中央へと飛び込む前に一端ファーサイドに流れるフリをしてマーカーを外に引っ張っているんですよね。

ずば抜けたシュートテクニックの高さばかりに注目が集まりますが、彼のDFとの駆け引きの巧みさも知れる素晴らしい得点でした。





VSエンポリ


ピョンテク7

敵陣でボールを奪ったカスティジェホがサイドのケシエに展開した場面。

この時点ではピョンテクはマーカーの前方(つまりマーカーにとってボールとピョンテクを同時に視野に収められる場所)に位置しています。



ピョンテク8

ケシエが裏に抜け出したチャルハノール(黄)へとパス。

ここでピョンテクはマーカーの背後へと移動を開始します。
マーカーも振り切られまいと牽制しますが彼のフィジカルを前に止めきれません。



ピョンテク9

チャルハノールが中央へグラウンダーのクロスを上げる場面ですが、この時点でピョンテクはマーカーの背後への移動を完了。



ピョンテク10

こうしてクロスボールを冷静にゴールへと流し込みました。



上記の一連の場面の映像がコチラ。







まとめ


以上3つのゴールシーンを振り返りました。


マークを外すための積極的な動き出し、それを可能にするポジショニングセンススピードフィジカル、そしてシュートのテクニック精度の高さ…。


ストライカーとして必要なあらゆる能力を高水準で備えているからこそ、彼はどんな状況でもゴールを決め続けることができるのでしょうね。


現在のミランは(ロング)カウンターの精度に課題を抱えており、また戦術の関係上ピョンテクを前線に1人孤立させている状況も少なくありません。

これらの点が改善され、ピョンテクにより多くの得点チャンスを提供できるようになれば更なる活躍を見せてくれることは必定ですし、チームとしてまた1つ上のレベルへと到達できると思います。


そして彼ならば、歴代最高クラスのストライカーであるクリスティアーノ・ロナウドをも上回って得点王を獲ることも決して不可能ではないはずです。

ミランの選手としてはイブラヒモビッチ以来となるこの個人タイトルを是非とも目指してほしいと思います。



今季はリーグ4位以上、コッパ・イタリア優勝、ピョンテク得点王の3冠を獲りましょう!(笑)


最後まで読んでいただきありがとうございました。


[ 2019/02/24 15:06 ] 考察 選手 | TB(-) | CM(1)

ルーカス・パケタがミランにもたらした2つの変化



はじめに;チームにもたらした2つの変化


 今冬の移籍市場にて、ブラジルのフラメンゴから推定3500万ユーロで移籍したルーカス・パケタ。

 当初、この報道及び移籍金を知った時は「将来有望な若手選手らしいしこんなもんか~」などと思っていたわけですが…


 今思うと、あまりにも格安でしたね。移籍金3500万ユーロ(出来高付きらしいので実際はもう少し高くなるかもしれませんが)は将来性を考慮してのものだったと当時は考えていたわけですが、現段階の実力でも十分にその額に値することは間違いないでしょう。

 チームに加入後、瞬く間に即戦力としてフィット。もはや欠かせない選手となっていますからね。


 というわけで今回は彼がチームに対し、具体的に何をもたらしてくれたのか、またどのようにしてチームに貢献してくれているのかについて個人的な見解を書いていこうかなと。



ボールの運び役

 まず一つは、ボールの運び役としての多大なる貢献ですね。
 とはいってもドリブルでゴリゴリと運ぶわけではなく、ポジショニングとパスで運びます。

 彼はボールの引き出し方と、ボールを貰った後のパスの判断と精度が非常に素晴らしいのでボールを前進させられるんですよね。
 そしてキープ力もあるので、有効なパスコースが見つからない時は溜めを作ることが出来ます。


 「Nextカカ」と呼ばれることもあるパケタですが、かつてのミランの選手で言えばセードルフに近いプレースタイルではないかと。

 カカはどちらかと言うとドリブルで運ぶタイプ(積極的に動いてパスを引き出すこともしましたが)でしたし、それ故にカカとは結構違いますね(カカのようにミランのレジェンドになれるという意味での「Nextカカ」なら正しいかもしれません。笑)



 閑話休題。それで何故これが重要かと言うと、当時のミランの中盤にこれが継続的にできる選手がいなかったからです。


 例えばケシエはロングカウンター時などのスペースが空きまくっているときはドリブルでゴリゴリ運べますが、ポゼッション(この記事でいうポゼッションは「相手の守備陣形が整っている状態での攻撃」程度に捉えてください)時はドリブルでもパスでも有効に運べません。

 バカヨコも同じ。圧倒的なフィジカルを活かしたドリブルでマーカーを剥がすことはできますが、その後のパスの判断が良くないため有効にボールを運べない。


 チャルハノールは唯一それが継続的に出来得る選手ですが、パケタほどのキープ力がないため上手く溜めが作れず、ドリブルでの運びも上手くはないためそこまで適任ではない(良い形でボールを受けられ、かつ常時パスコースが作られているような組織的なチームであれば出来るでしょうが)。


 つまりこの3人の中盤でポゼッションサッカーをやっていた頃のミランの試合内容が酷く、4試合連続無得点などという記録を残したのもある種必然であったということがわかっていただけると思います(この頃の僕がくどい程に速攻サッカーを要求していたのはこのため)。



 パケタとピョンテクの加入に伴い、基本戦術がポゼッションからロングカウンターにシフトしたため当時と今を単純比較することは確かに難しいです。

 しかし当然ながらポゼッションする時間帯というのは今でも試合中に必ずあるわけで、その際にはパケタの上記の能力が存分に発揮されていますね。



チャルハノール復活


 パケタがチームにもたらしたものの2つ目はチャルハノールの復活です。

 チャルハノールのシーズン前半戦は惨憺たる結果に終わり、そのため冬の移籍市場期間では放出の噂が絶えることはありませんでした。


 しかし後半戦になり復調。先日のアタランタ戦では今シーズンのリーグ戦初ゴールを含む1ゴール1アシストでチームの勝利に大きく貢献しました。


 彼の前半戦の不調の原因についての僕の見解は、めちゃくちゃ大雑把に言うと「サイドで孤立する時間帯が長かった」というものでした(こちらの記事「ハカン・チャルハノールの苦境 ~不調の原因とその解決法~ 【本編】」で詳述していますので、未読の方は読んでいただけると幸いです)。


 つまり前半戦とは打って変わった後半戦の好調の理由を大雑把に言うと「孤立することなく中央付近でボールを触れるようになったから」だということが出来ます。


 ではなぜその変化が生じたかと言われれば、それはほぼ間違いなくルーカス・パケタのおかげではないかと。


 パケタは前述したように動きの質が高く、パスの精度と判断も素晴らしい。流動的に動いてサイドにも流れられるため、チャルハノールに良質なボールを送ると同時に自身へのパスコースと中央付近のスペースを提供することが出来るわけです。


 こうしてチャルハノールは中央に流れて比較的フリーでボールを受けられる頻度が増え、しかもパケタというパスの受け手としても優秀な存在が近くにいることで得意のパスもより活きるようになったというのが好調の原因だと考えています。


 ちなみにこれはパケタの方にも言えることでして、パスの出し手としても受け手としても優れている上に積極的なフリーランもしてくれるチャルハノールがいることで、パケタが流動的に動きやすいという側面は間違いなくあるでしょうね。



 最後に、実際のデータを見てみましょう。

チャルハノール トリノ戦 チャートボード タッチ2

 上図は先に挙げたリンク先記事でも引用した、トリノ戦(機械採点で最も悪かった試合の1つ)におけるチャルハノールのボールタッチポジションです(右攻め。WhoScoredより)。

 中央エリアもといバイタルエリア付近でのタッチ数は少ないことがわかります。



チャルハノール カリアリ

 一方こちらは2節前のカリアリ戦におけるチャルハノールのボールタッチポジションです。

 はい、一目瞭然ですね(笑)



おわりに;CL権獲得のために


 以上、パケタがミランにもたらした大きな変化や貢献について僕なりの見解を述べさせていただきました。

 まとめると僕の主張は「パケタは持ち前のスキルと流動的な動き、そしてチャルハノールとの相性の良さを活かすことでミランのポゼッション精度を向上させ、その上チャルハノールの復活にも貢献した」と言ったところでしょうか。


 今回は特にポゼッション時における彼のパフォーマンスに注目しましたが、他にも守備時の献身性やカウンター時の鋭い縦パスなど褒めたい点はまだまだあります。

 既に十分に素晴らしいというのに、これでまだ21歳の成長株ですからね。本当に末恐ろしい選手です。



 ミランのCL権獲得のためには、もはや彼は無くてはならない存在となりました。

 何としても今季はCL権を獲ってもらい、来シーズンからは世界最高峰の舞台でも躍動するパケタの姿を見たいですね!


最後まで読んでいただきありがとうございました。


[ 2019/02/19 17:00 ] 考察 選手 | TB(-) | CM(0)

ボナベントゥーラ復帰後のシステムについて~4-3-1-2の可能性~


はじめに

 数日後にアタランタとの1戦を控えるミラン。

 アタランタと言えば、ケシエ、コンティを始め今のミランには元アタランタの選手が多数在籍しています。


 その中の1人がジャコモ・ボナヴェントゥーラです。

 現在膝の負傷で長期離脱中。今シーズン中の復帰はおろか来シーズンの開幕にも間に合わない可能性が噂される彼ですが、復帰を果たせばチームの大きな戦力になることは間違いないでしょう。

 
 今回は、ボナベンが復帰し、今のチームに組み込む場合のミランの最適と思われるシステムについて考えていきたいと思います。


 なお、考える上での前提として…

・特に言及のない限りは、前線と最終ラインはいつもの(スソ、ピョンテク、チャルハノール、カラブリア、ムサッキオ、ロマニョーリ、リカロド)メンバー

・ボナベントゥーラのコンディションが戻っている

・復帰は来シーズン以降のため補強・放出でメンバーはほぼ間違いなく入れ替わっているでしょうが、今季のメンバーを基準に考えます



ボナベントゥーラ、ビリア、ケシエ(4-3-3)

ボナベントゥーラ1


 今季序盤、彼とビリアが離脱するまでは不動であった構成。
 8試合で3ゴール1アシストという数字からも分かる通り、このシステムでのボナベンはかなり活き活きとしていました。

 1トップのため飛び出すスペースがありますし、しかも当時は下がってくるプレーを好みペナルティエリア内への侵入が消極的だったイグアインがそこを務めていたこともあり、ボナベンが積極的に前線・ペナルティエリア内へと飛び出すことができましたね。


 ポゼッションサッカーに極度に拘っていた当時ですら比較的機能していましたから、この構成で裏抜け主体の縦に速いサッカーをすればかなり強力でしょうね。



ボナベントゥーラ、バカヨコ、ビリア(4-3-3)

ボナベントゥーラ

 そして、今ならばビリアを一列上げてバカヨコアンカーでも十分に機能すると思います(志向する戦術はもちろん①と同じ)。

 今の1トップはエリア内での積極的な駆け引きに特長のあるピョンテクですし、ボナベン・ピョンテクの2人と片方のウィンガーがエリア内でクロスのターゲットとなり、ビリアがそのこぼれ球対策も兼ねてバイタルエリアに構えるという形は中々良いのではないでしょうか(ビリアは強烈なミドルを持っていますし)。



バカヨコ、ビリア、ボナベントゥーラ、チャルハノール(4-3-1-2)

ボナベントゥーラ3


 4-3-1-2をこよなく愛する僕が個人的に1番見てみたいシステムがコチラです。

 ポゼッション時は主に左サイドでボナベン、チャルハノール、パケタが流動的に動いて相手守備陣を打ち崩します。
 
 チャルハノールはライン間でボールを引き出すのが上手く、前線には原則2つのパスコース(パケタ、ピョンテク)があるため得意のパスも活きるでしょう。

 ボナベンはドリブルでボールを運べますし、サイドに流れてクロスを上げることも(彼は地味にクロスも上手い)パケタが空けたエリア内に飛び出すこともできるのでかなり適任。

 パケタはサイドにも流れられるし下がってボールを受けることもでき、かつフリーランの質も高そうなので上記2人のポジションを見た上で気の利いた動きをすることができるでしょう。もちろんFWとしてアシストや得点も期待できます(ただし2トップの1角としてのプレーを未だ見ていないのでやや未知数ですが)。

 ピョンテクはスピードを活かした裏抜けと、フィニッシャーとしての仕事がメイン。


 そもそも4-3-1-2が機能しないチームの大半は攻撃に流動性が全くなく、中央から無理やり攻めてボールを奪われ、挙句に手薄なサイドをカウンターで破られて決定機を作られて……といったパターンに大いに苦しみます(バッカ・ルイスアドリアーノコンビ、バッカ・バロテッリコンビ時代のミランがその典型)。

 その点、上記の中盤と前線の組み合わせなら流動性という面に関しては何の問題もありませんし、ビリアとバカヨコがバランスを取ってくれるのでカウンターケアという側面もクリアできるはずです。



 守備に関しては、相手が戦力的に格下であればローラインで4-3ブロックを作り、ボール奪取からの素早いロングカウンターで粉砕できるはずです(守備と守→攻の切り替えがしっかりと組織されていれば)。
前線にテクニックと走力のあるパケタとチャルハノール、スピードと決定力のあるピョンテクがいますからね。

 ただし相手が同格以上であれば、トップ下のチャルハノールが中盤に下がって4-4の守備ラインを作るなどの工夫が必要になりそうです(それでもピョンテク、パケタがいるのでカウンターはある程度機能するでしょう)。



 さて。ここまで願望と想像を垂れ流してきましたが(笑)最後にこのシステムの問題点について考えます。

 1つはチャルハノールです。ご存知の通り、今の彼はファイナルサードでのプレーにとてつもない課題を抱えており、今よりも更に決定的なプレーが求められるトップ下のポジションで機能するかという問題があります。

 本来であれば十分機能すると思うんですけどね。この点に関しては本人のコンディション次第だと思います。


 もう1つはパケタですね。先述したように2トップの一角としてのプレーを僕は観たことがないので、実際にどうなるかは未知数です。あのワンタッチパスのスキルやテクニック、運動量なら能力的に十分に可能だと思っているんですけどね。
 パケタに代わるFWがいればトップ下で起用するのも面白いですね。


 3つ目の問題として、このシステムだとスソの起用が不可能だという点です。
 おそらくこれが最大の問題ですし、それゆえにこのシステムが実現することはないでしょうね…。



まとめ


 以上、3つの構成を見てきましたが、一番実現可能性の低いシステムについての説明が記事の大半を占めてしまいました(笑)

 まぁ最初の2つは無難なシステム(それ故に実現可能性も高い)ですからね。一見、突飛に思える3つ目のシステムについて僕の考える事を詳述させていただきました。

 3バック時の構成も考えたりしたのですが流石に冗長かなと思ったので割愛します。



 中盤の選択肢が増えてきた現状においても、ボナベントゥーラが今なお重要な戦力であることは変わらないでしょう。
 1日でも早く怪我を治して欲しいですね。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

[ 2019/02/15 19:00 ] 考察 選手 | TB(-) | CM(6)

ビリア復帰後の中盤の構成について考える


 数カ月間の離脱を経て、ビリアが遂に実戦復帰間近とのことです。
カリアリ戦で実戦復帰するかどうかは未定ですが、いずれにせよ中盤にクオリティをもたらしてくれる選手が帰ってきてくれたのは非常に大きいですね。

 今回は、そんな彼を中盤に組み込む場合のベストと思われる構成を考えていきたいと思います。


 考えていく上での前提として、特に言及のない限りは前線と最終ラインはいつもの(スソ、ピョンテク、チャルハノール、カラブリア、ムサッキオ、ロマニョーリ、リカロド)メンバーを想定しています。また、ビリアのコンディションが戻っていることも前提とします。



パケタ ビリア バカヨコ(4-3-3)

ビリア1

 現状の基本フォーメーションである4-3-3を崩さないならば、おそらくこれが最も無難な構成になるかと思われます。

 問題としては、バカヨコのインサイドハーフが機能するかという点と、あのガットゥーゾ監督がケシエを戦術・技術的理由でベンチに座らせるかという点ですね。



バカヨコ、ビリア、ケシエ(4-3-3)

ビリア2

 パケタが疲労等でスタメンから外れた場合に十中八九採用するであろう構成。

し かしポゼッション時にあまり機能するとは思えませんから(両インサイドハーフに展開力がないため)、ロングカウンター狙いや試合途中からなど、状況に応じて部分的に採用するのが良いかなという印象です。



パケタ、バカヨコ、ビリア(4-3-3)

ビリア3

 ①からバカヨコとビリアの位置を変えた構成。
 個人的にはこれが1番見てみたいですし、機能した場合の破壊力も凄いかなと。

 バカヨコを従来のアンカーの位置において守備力を担保し、1列前のビリアが組み立て→崩しを担う形。10-11シーズンに見られたアンブロジーニ(アンカー)とピルロ(インサイドハーフ)の関係に若干近いと言えそうです。

 問題は、ビリアがインサイドハーフで機能するかという点ですね。特に今のミランのインサイドハーフは運動量と機動力が要求されますから、これらの点をビリアが満たせるかどうか…。攻撃性能自体はインサイドハーフでも十分に通用するレベルだと思うのですが、ケシエの機動力・運動量には間違いなく劣る(この点に関してケシエに優るのは世界的にも稀でしょうが)ので、このギャップをチームとして受け入れられるかも未知数です。



パケタ、ビリア、ケシエ(4-3-3)

ビリア4

 バカヨコが欠場する場合に十中八九採用するであろう構成。

 これならかつてのボナベン、ビリア、ケシエの3MFとほぼ同じ構成ですし、攻撃面においては申し分ないのではないかと。

 問題は守備面ですね。バカヨコのボール回収能力に大きく依存している現状、彼を失えばただでさえ堅守とは言い難い(失点こそ少ないですが)今の守備が更に危うくなることは想像に難くありません。
人数をかけ、引いて守っている現状であれば当時ほどズタズタにやられる心配はないでしょうが…。



ビリア、パケタ、バカヨコ(4-2-3-1)

ビリア5

 パケタをトップ下に配置し、ビリアとバカヨコでダブルボランチを組む3角形の構成。
 必ず一度は観たい構成ですし、理論上は間違いなく機能すると思います。

 バカヨコとケシエのダブルボランチの場合、ボールを有効に運べず結局パケタがサポートに下りて実質4-3-3のようになる展開が容易に想像できますが、ビリアとバカヨコならばビリアがボールを運べるので機能するでしょう(つまりビリアとケシエのダブルボランチも良)。

 また、パケタをピョンテクの近くでプレーさせられればチャンスも今以上に作れるでしょうしね。

 問題は、エースであるスソの起用法ですね。一応このフォーメーションでも右サイドハーフで起用可能ですが、あの守備力での起用はかなり心許ないですね…。おそらく4-2-3-1ならカスティジェホの方が適正だと思います。

 しかし、かといって実際にベンチに座らせるわけにもいかないでしょう。ですので、このシステムは攻撃的にいく際のオプションの1つというのが現実的なところでしょうか。

 仮にこれまでと違ってハイプレスを導入してショートカウンターを志向し、スソも守備タスクを忠実にこなしてくれるなら非常に強力なフォーメーションになると個人的には思っていますが…。



まとめ


 理論上はまだまだ多くの組み合わせが考えられますが、実現可能性や機能性を踏まえるとこの辺りが妥当かなという気がします。
個人的なお薦めはやはり③、⑤、①でしょうか。

書き忘れましたが、②の派生形であるバカヨコアンカー、ケシエとビリアの両インサイドハーフとかも(ビリアのパフォーマンスによっては)中々良さそうです。



 ビリアの存在が如何に重要かは、彼が離脱する前後でチームのパフォーマンスが大きく変化したことを見れば明らかです(同時期に離脱したボナベントゥーラの存在も大きかったでしょうが)。

 彼の復帰はCL権を目指すチームにとって間違いなく追い風ですし、念願の内容面の向上にも期待がかかります。今後が楽しみですね。


[ 2019/02/09 14:30 ] 考察 選手 | TB(-) | CM(0)

ルーカス・パケタvsユヴェントス ~好プレーの数々を振り返る~

 今冬にミランに加入したルーカス・パケタ。

 早くも2試合に先発出場し、サンプドリア、ユヴェントスという強力なチームを相手に印象的なプレーを見せてくれています。

 もちろんたった2試合で断定できることは少ないわけですが、とりあえずここまでの感想として、ミランは素晴らしい選手を獲得したのではないかという気がします。

 ドリブルでもパスでもボールを運べ、隙あらば縦へのスルーパスでチャンスを演出。守備もサボりませんし、時折遊び心のあるトリッキーなプレーも披露。はっきり言って滅茶苦茶好感度が上がっています(笑)



 そんなわけで今回は、個人的に印象に残った彼のプレーを先日のユヴェントス戦を振り返りながら具体的に見ていこうかなと(※映像引用元;Dazn)。



 まず一つ目はこちらの、パケタ(赤)が裏に抜け出そうとするクトローネ(桃)へとスルーパスを通したシーン。

ユヴェントスパケタ10


 これまで当ブログでくどい位に主張している「縦に速いサッカー」を実現するには、スペースへと走る選手だけでなくスペースへと高精度でパスを送り込める選手も必要不可欠です。

 これまでのミランの選手の中で後者のプレーができるのはチャルハノールのみ(ビリアは負傷中のため)でしたが、パケタもこれができる選手のようですね。サンプドリア戦でもイグアインへ素晴らしいスルーパスを通していましたしね。

 彼らのような裏に送り込める選手がいることで、クトローネのような選手は十分にその持ち味を発揮できます。
 
 今後、このようなシーンは何度も見られるでしょう。非常に楽しみですね。



 続いてはこちらの、ボールを前進させた一連のシーン。


ユヴェントスパケタ2

 ↑まず、ロマニョーリ(青)からボールを受けたパケタは、ワンタッチでサイドのリカロド(黄)へとシンプルにボールをはたきます。


ユヴェントスパケタ3

 ↑その後、自身は空いているサイドのスペースへと走ってリカロドからの縦パスを引き出すパケタ。


ユヴェントスパケタ4

 ↑このようにしてマーカーを引き連れながらもリカロドからのパスを受け、ボールを前進させました。


 ちなみにこのシーンでは、チャルハノール(紫)がパケタ(とマーカー)が移動したことで空いたスペースに移動してしっかりパスコースを作っています(2枚目、3枚目の画像を参照)。


 結局この局面ではオーバーラップしてきたリカロドへのパスを選択したパケタですが、シンプルにチャルハノールに渡しても面白かったでしょうね(おそらく得意のサイドチェンジが炸裂したはず)。


 サイドに流れてもプレーできるテクニックを持つパケタは、流動性のある攻撃を得意とするチャルハノールと相性が良いですし、この2人+リカロドの3人ならばポゼッションで崩していくことも十分可能になっていくでしょうね。



 3つ目となるこちらは、パケタがサイドのリカロドへと送り、中央のスペースへと走り出したところへリカロドが完璧な縦パスを通したシーン。


ユヴェントスパケタ8


ユヴェントスパケタ9


 シンプルではありますが、パスの受け手としても優れていることがわかります。狭い場所に通したリカロドもお見事。



最後はこちらの一連のシーン。


ユヴェントスパケタ5

 ロングカウンターの流れから中央のバカヨコ(緑)へとボールが渡ったところですが、ここでパケタは下がってボールを受けようとマーカーを引き連れながら動き出します。


ユヴェントスパケタ6

 マーカーの意識がパケタに向いたところで、今度はチャルハノールが背後の2ライン間へと入り込み、パスを引き出します。


ユヴェントスパケタ7

 こうしてバカヨコから見事な縦パスが入り、チャルハノールが2ライン間でボールを受けました。


 ちなみにこれ、この試合のミランにとって最大の決定機であったあのクトローネのバー直撃シュートに繋がる1つ手前のシーンです。


 直接的なオンザボールによる関与ではありませんが、チャンスに絡んだプレーの1つということでお許しください(笑)




 以上、4つのシーンを見てきました。正直まだまだ言及したいプレーがたくさんあるのですが、キリがないのでこの辺にしておきます。


 こうして振り返ると、ミランの作ったチャンスシーンの多くにパケタが絡んでいることがわかりますね。

 これでチームに合流してまだ1週間ちょっとですからね。凄すぎる(笑)



 そしてパケタの存在により、チャルハノールをウイング起用しても機能するのが大きいですよね。

 当ブログでも再三再四主張していますが、チャルハノールは本来中央付近でこそ真価を発揮する選手ですし、サイドに固定されて活きる選手ではありません(4-4-2の左サイドハーフでのプレーが酷かったのが証拠の1つ)。

 頭が良くテクニックがあり、サイドにも流れられるパケタが左インサイドハーフならば、チャルハノールも機を見て中央に流れられますからね。

 逆にパケタにとっても、純粋なウィンガーとのプレーよりも自由に動きやすいメリットがありますし、試合を観ていてもこの2人の相性はかなり良さそうです。

 
 チャルハノールの移籍話が再燃していますが以上のことから僕は相変わらず反対ですし、財政的な理由での放出は止むを得ないとしても、戦力的にはできる限り残すべき選手だと思います。

 チャルハノールのファイナルサードでの精度さえ戻れば超強力コンビになれると思いますしね。



…少し話が逸れてしまいましたが、とにかくパケタは現時点でも主力クラスと言えそうですし、少なくとも当分の間はスタメンで起用されるべき選手でしょうね。

 相手にプレースタイルを研究されてからどうなるかは未知数ですが、今のパケタであればリーグ戦でも十分に活躍できるでしょうからね。


 本当に今後が楽しみな選手ですし、怪我だけはせずにリーグ後半戦を主戦力として戦い抜いて欲しいです!



おまけ


動画で観るスーパープレー

 

ユヴェントス戦で魅せたスーパープレーの1つ。



パケタ、チャルハノール、バカヨコの3ショット




 ピッチ内外で相性の良さそうなパケタとチャルハノール。
 バカヨコ(買取不透明)もチャルハノールも残って欲しいー!!笑

[ 2019/01/19 13:00 ] 考察 選手 | TB(-) | CM(0)

ハカン・チャルハノールの苦境 ~不調の原因とその解決法~ 【本編】



 【導入】にて予告した通り、今回はチャルハノールの不調の原因をピッチ上の事象から探っていきます。

 具体的な手法としては、今季の彼のパフォーマンスが良かった試合と悪かった試合における様々な相違点を見ていくことで、彼のパフォーマンスを左右した(と思われる)事実を明らかにするというものです。


〇機械採点によるベスト試合とワースト試合

 そのために、まずは彼のパフォーマンスが良かった試合と悪かった試合を特定する必要があります。

 この点、僕の独断と偏見によって決めても説得力に欠けるため、ここでは機械採点の力に頼らせていただきます。

 そこでWhoscoredの選手採点によると、チャルハノールの採点が良かった試合ベスト3は…

サッスオーロ戦;7.9点(1アシスト)
ローマ戦;7.48点
エンポリ戦;7.27点




となっています(※チャルハノールが先発出場した試合のみを対象としました。また、相手との力関係を考慮した結果、デュドランジュ戦の採点は独自の判断により対象外とさせていただきました。)

 こうして見るとサッスオーロ戦が1番良かったように思われますが、1アシストをしている事実については大いに考慮する必要があると考えます。
 というのも、Whoscoredは得点とアシストをかなり高く評価する傾向があるように経験上感じるからです(厳密な採点基準については分かりませんが)。

 先日のオリンピアコス戦(CKからサパタのゴールを「アシスト」したものの、全体的なパフォーマンスはかなり悪かった)での採点が7.2点だったことを踏まえると、やはりこの考えは強ち的外れというわけではないと思います。

 ですので、動きの質という観点からするとローマ戦がベストだったのではないかと考えます(もちろんサッスオーロ戦が悪かったとは思いませんが)。



 続いてワースト試合について。こちらは…


ユヴェントス戦;6.14点
トリノ戦;6.26点
ベティス戦(2戦目);6.29点




となっています(※先発試合が対象。Whoscoredより)。




 以上の2つのグループの試合を見比べると、早速ある1つの相違点が浮かび上がります。
 それは採用システム及びチャルハノールの起用ポジションの違いです。

 上記の良かった試合においては3試合いずれも4-3-3の左ウィングで起用されていたのに対し、ワースト試合においては4-4-2の左サイドハーフ(ユヴェントス、トリノ戦)と3-5-2の左インサイドハーフ(ベティス戦)で起用されています。




具体的なプレーポジション ①ベスト試合の場合

 「それなら4-3-3の左ウィングでプレーさせれば万事解決!」かというと……残念ながらそれは違うでしょうね

 実際のところ、上記のシステムとポジションで起用されながらも精彩を欠いた試合はいくつもありましたから。


 そこで採用システム・ポジションだけではなく、先に挙げられた試合の内容についても少し詳しく見ていく必要がありそうです。

チャルハノール ローマ戦 チャートボード タッチ


 上記の画像は、ローマ戦におけるチャルハノールのボールタッチの場所を図示したものです(右攻め。Whoscoredより引用)

 この画像から、ローマ戦におけるチャルハノールはバイタルエリアや左ハーフスペースで頻繁にボールを受け、果ては右サイドにまで顔を出していることがわかります。

 ちなみにこの試合のチャルハノールのキーパス数は「7」。2位がイグアインの「3」であることを考えると驚異的な数字ですね。

サッスオーロ戦

 こちらはサッスオーロ戦における同様の画像です(今度は左攻め。Whoscoredより引用)。おおむね、ローマ戦と似たようなプレーポジションであることがわかります。



具体的なプレーポジション ②ワースト試合の場合


チャルハノール トリノ戦 チャートボード タッチ


 一方、こちらはワースト試合の1つと定義したトリノ戦における同様の画像(右攻め。Whoscoredより引用)です。

 ローマ戦の画像と比べると一目瞭然ですが、バイタルエリアでのボールタッチ数が明らかに少なくなっています。また右サイドでのオン・ザ・ボールも少ないですね。


ユヴェントス


 ユヴェントス戦での画像(右攻め。Whoscoredより引用)においても同様の傾向が見て取れます。



具体的なプレーポジション ③カリアリ戦の場合

 最後に、「4-3-3の左ウィングで起用されたものの精彩を欠いた」試合の1つの例としてカリアリ戦を挙げます。

カリアリ戦


 カリアリ戦におけるチャルハノールのボールタッチ場所を図示した画像(左攻め。Whoscoredより引用)がこちらです。
 これを見ると、上記の①ベスト試合よりも②ワースト試合におけるプレーポジションに近いことがわかりますね。



チャルハノールの長所


 つまり、「具体的なプレーポジション①~③」から導かれる結論として


・チャルハノールのパフォーマンスを左右している要素を考えるにあたり、本質的に重要なのは採用システム・起用ポジションではなく、ピッチの中央付近やバイタルエリアでプレーできているかどうかである

・4-4-2に比べれば、4-3-3の方が上記のようにプレーできる傾向がある




という2つが挙げられます。

 では、なぜ中央付近でプレーする頻度がパフォーマンスに直結するのか。当然それはチャルハノールのプレースタイルに起因しています。

 チャルハノールの特徴は何といっても多彩なパスです。短・中・長距離のパスを状況に応じて使いこなせる精度と視野の広さを備えています。
 そのため、中央付近でボールを持てばそれだけパスの選択肢が増える、すなわち彼の武器を存分に発揮できるということですね。

 また、ミドルシュートの上手さも彼の魅力の1つです。ペナルティエリア左隅からカットインして打つミドルシュートは昨季後半戦で頻繁に見られ、相手ゴールを何度も脅かしました。




〇結論 ➊不調の原因

 以上を踏まえると、チャルハノールの不調の原因も見えてきます。


・怪我人の続出、イグアインとクトローネを共存させたいといった事情から基本システムを4-3-3から4-4-2に変更する試合が増えた。

・そして、それまでの左ウィングよりも流動性が低く、サイドに固定されやすい左サイドハーフで起用されることで持ち味のパスが更に活かせなくなった。

・また、4-4-2システムの練度の低さ(主に2トップやボランチとの連携不足)により、サイドで孤立するシーンが目立つ(=パスの出し所がない)

・かつてミランに在籍していたデウロフェウやメネズのような選手が持つ圧倒的なスピードやドリブルテクニックはチャルハノールにはない。そのためサイドで孤立した際に打開する手段に乏しい。よってボールロストやパスミスが増えてしまう。

・ボールロストやパスミスが増えていくことで自信を喪失し、消極的なプレーが増える結果試合に及ぼす影響力が小さくなり、低パフォーマンスとなってしまう(チャルハノールが非常に繊細な人物であるというのはガットゥーゾ監督が何度も言及していることです)。





 以上が僕の考えるチャルハノールの不調の原因でした。簡潔に言うと「システム等の問題によりサイドで孤立する場面が増え、持ち味のパスを活かせなくなった。またボールロストも増え、その結果として自信を失い悪循環に陥ってしまっている」ということになります。

 これらは4-4-2の場合に顕著ですが、4-3-3であってもこういう形(サイド孤立→ロスト増→自信喪失)で不調に陥っていたと考えられます。


結論 ❷不調の解決法

 では、こういった不調を解決するにはどうすれば良いのでしょうか。
 やはり一番手っ取り早いのはシステムの変更でしょうね。

 個人的には4-3-3の左インサイドハーフ、4-3-2-1の左シャドー(4-3-3の左ウィング起用の際に実質的にシャドーになる形もありますが)、もしくは4-2-3-1のトップ下辺りが良いんじゃないかなと思います。

 ただし留意しておきたいのが、上で書いたようにシステム・ポジションそれ自体よりも、実際にどのように動き、どこでボールを貰い、周囲のどれほどの距離に味方がいるかが大事だということです。

 仮にトップ下で起用しても、その周囲の適切な距離に味方がおらずに孤立すれば相手DFに潰されるだけでしょう。

 逆にサイドで起用されても、昨季のように適切なタイミングで中央に移動してボールを受けることができれば活躍することができるでしょうね。

 結局のところは、味方選手との相互理解を深めることと適切なシステム(動き方などのディテールを含む)の成熟に尽きるのかなという気がします。



最後に


 これまで主にシステム上の問題について触れてきましたが、もちろんチャルハノール自身のコンディションが悪く、個人の責任によるミスも多いというのは決して見逃せません。
 決定機を逃したり、ノープレッシャー下であるにも関わらずパスミスをしたりといった場面も目立ちますからね。

 ですが、システム変更によりかなり割を食っている選手であることに間違いありませんし、起用法(単純なポジションという意味ではありません)さえ見直せば、昨季後半戦のように輝きを取り戻せる可能性は大いにあると言えるでしょう。

 何よりチャルハノールが復活すれば、前線へのパス供給能力の質的低さ・供給頻度の少なさや、セットプレーからの得点の少なさといった今のミランの抱える課題は劇的に改善されるはずです。


 年内に行われる残り4試合で自らの価値を証明して残留を勝ち取るとともに、リーグ後半戦ではミランのCL権獲得の起爆剤として大活躍してほしいと思っています。


Forza Hakan!


非常に長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。


[ 2018/12/18 18:00 ] 考察 選手 | TB(-) | CM(2)

ハカン・チャルハノールの苦戦 ~不調の原因とその解決法~ 【導入】



はじめに;ミランのチャルハノール その来歴


 大型補強を敢行して大勢の選手が加入した昨季のミランでしたが、その1人がハカン・チャルハノールです。
 移籍金約2500万ユーロでレバークーゼンから加入しました。
 
 正確無比なキック精度を誇る彼に与えられた背番号は「10」。ボヌッチやビリアと並び、ミラン新時代の中心選手としての活躍が期待されていたことは間違いないでしょう。

 そして昨季の彼はおおむね、そのような期待に応えられたと個人的には思います。
確かに、試合勘不足やレギュラーの大幅入れ替えによるチームの連携不足、さらにイタリアへの適応に時間がかかったこともありシーズン前半戦は精彩を欠きました。

 しかし監督がガットゥーゾに代わった昨季後半戦以降、チャルハノールは見事な復調を遂げて得点・アシストを量産。
彼の復活は、今季のミランがELに参加できた1つの要因でしたね。


 このような活躍から、昨季開幕前以上の期待を寄せられて迎えた(チャルハノールにとっての)今シーズン開幕戦。相手は強豪ローマでしたが、この試合で彼は卓越したパフォーマンスを披露。チームの2-1勝利に大きく貢献しました。


 しかし、それ以降チャルハノールのパフォーマンスは大幅に低下。デュドランジュ戦など良いプレーを見せる試合も時にはありましたが、全体としてみればお世辞にも納得のいくものではありません。

 最近はその低パフォーマンスもあってか移籍話が浮上。ライプツィヒをはじめ、ブンデス方面からの興味が噂されています。



復活のために


 確かに最近のパフォーマンスを考えると放出も止む無しかなと思うのも事実…。その放出により得た移籍金をウィークポイントである中盤の補強(セスクなど)に充てるという考えも理に適っています。


 しかし、個人的に特にミランでお気に入りの選手であるということもあり、感情的には放出してほしくないというのが僕の思いです。

 ですので、彼の復活を願って、次回以降からチャルハノールの不調の理由を探るとともに、どうすれば(どのように起用すれば)復調を果たせるかを僕なりに考えていきたいと思います。


 なお、不調の理由を考えるにあたって、今回はピッチ上の事象のみに焦点をあてていく予定です。例えば離婚騒動などのプライベートな理由も不調の原因の1つだと考えることもできますが、そういうのは対象外とします。



サッカーランキング


[ 2018/12/17 19:27 ] 考察 選手 | TB(-) | CM(0)

カラブリアのプレースタイルについて ~長所と短所~

  本日はミランの下部組織出身、期待の若手選手であるダヴィデ・カラブリアの誕生日です。おめでとうございます!



 今シーズンのカラブリアはここまで公式戦13試合に出場して1ゴール1アシストを記録。コンティが離脱していたこともあり、現在右SBの絶対的レギュラーとしてプレーしています。



カラブリアの長所

  これで終わるのもあっさり過ぎますし、せっかくカラブリアについて言及したので、僕の考えるカラブリアのプレースタイルもとい長所と短所を少し語らせていただきます。


 彼の良い所といって真っ先に思い浮かぶのは何といっても攻撃における積極性です。

 豊富なスタミナで頻繁に前線に駆け上がり、ウイングのスソを追い越して相手DFを引き付けることでスソの使えるスペースを作り出してくれます。
 時にはエリア内に侵入してゴールを狙うこともありますね。
 
  昨シーズンからコンビを組んでいることもあり、この2人の連携はかなり成熟されつつある印象です。
 カラブリアの存在は、スソが絶好調を維持している理由の1つでしょうね。


 そしてもう1つ個人的に気に入っているのが、ビルドアップ時の彼のプレースタイルです。

 基本的に彼はボール回しに積極的に関与するタイプであり、かつ相手のプレスに対してすぐにロングボールに逃げることなく落ち着いて冷静にプレーできる選手です(やや覚束ないシーンはありますが)。
 ガットゥーゾ監督の求める「後方から丁寧にボールを繋ぐ」というプレー原則にマッチした特長を持つ選手といえると思います。

 その証拠として、EL第2節のオリンピアコス戦における彼のスタッツを紹介します。
 この試合で彼はボールタッチ数103回を記録し、両チームで一番ボールに触れた選手となりました(WhoScoredより)。
 ちなみにミランで2番目にボールタッチが多かったのがサパタで84回です。結構な差がありますね。

 これからパスの精度や判断が上がっていけば更に強力な選手になれるでしょう。期待したいですね。


カラブリアの短所

 一方弱点については、やはり守備力の低さが挙げられます。

 しかし個人的に、アジリティと初速の速さを活かした純粋な一対一の守備は悪くないどころかむしろ良い方だと思っています(実際、先のオリンピアコス戦ではチーム断トツ1位のタックル成功数7回を記録)。確かに緩慢な時もありますが…。


 一番の問題は守備時のポジショニングでしょうね。
 中でもDFライン裏に飛び出してきた相手への対応や、相手に自身の背後に回られた時のマークが甘いシーンが散見される印象です。



 その他の短所としては、ファイナルサードでのシュートやクロスの精度・判断といった点でしょうか。凄く良いクロスを上げる時もありますけどね。



おわりに


 彼はまだ22歳になったばかりですし、成長の余地は十分に残されているでしょう。
 個人的に大好きですし、将来が本当に楽しみな選手です。


 コンティが実践復帰を間近に控え、アバーテがコンディションを上げてきている現状を考えると、今後の右サイドバックのスタメン争いは非常に熾烈なものになると予想されます。

 カラブリアには彼らと切磋琢磨してもらい、イタリアを代表するトップクラスの選手へと成長して欲しいですね。



サッカーランキング

[ 2018/12/06 20:20 ] 考察 選手 | TB(-) | CM(0)

新加入選手 ラパドゥーラのプレースタイルは?

前回の予告通り、今回はラパドゥーラのプレースタイルを見ていこうと思います。

しかし、ここで注意していただきたいことが一つ。実は自分はラパドゥーラのプレーを試合で見たことはないので、動画サイト等であげられた彼のプレー集をもとに考察をすることになります。

プレー集というのは大抵良いプレーをまとめたものであるため、それを見ただけでは選手を真に評価することはできません。ですからこの考察はあくまで参考程度にしていただけたらと思います。




[ 2016/07/10 00:00 ] 考察 選手 | TB(-) | CM(0)

ミランのエース バッカ不調の原因とは?

今季、3000万ユーロという金額でミランに加入。そしてその期待に応えるかの如くコンスタントにゴールを積み重ね、現在セリエAのゴールランキング3位につけているバッカ。

「ミランのエース」と称して何ら差し支えない成績をここまで残している彼ですが、ここ最近はゴールが遠く、最後にゴールを決めた試合は本田もゴールを決めた2月14日のジェノア戦までさかのぼります。

なぜ彼はスランプに陥ってしまったのでしょうか? 今回はその原因を探っていきたいと思います。
[ 2016/03/18 03:39 ] 考察 選手 | TB(-) | CM(0)