【セリエA第12節】 ミラン対ユヴェントス 【マッチレポート】



スタメン

ミラン ユヴェントス1


前半

ユーヴェの攻撃

 試合はユヴェントスが優勢に試合を進めます。
 ユーヴェのビルドアップの中心はピャニッチとベンタンクール。特にベンタンクールは同サイドのSBカンセロと巧みにポジションチェンジをするなどしてフリーとなり、悠々とパスを出していましたね。

 ポゼッションを確立した後は、偽9番の役割を担ったディバラがミランの2ライン間にポジションを取ってパスを引き出し、崩しの起点となりました。


ミランのサイド守備の甘さ

 ユーヴェは最初の数分以降はディバラが中央、マンジュキッチが右サイドに位置する時間帯が多かったですね。空中戦に強くない左SBのリカロドに対し、高さによるアドバンテージを取るためでしょう。

 この作戦が早速功を奏し、前半8分、左サイドからのクロスにマンジュキッチが頭で合わせてゴールを奪いました。



 ここで気になったのがスソの寄せの甘さです。前日のプレビュー記事にて「両サイドの選手(スソ、チャルハノール)が守備をどれだけ精力的にこなせるか」を注目ポイントに挙げていましたが、残念ながら守備に関してはいつも通りのスソでしたね…。

ミラン ユヴェントス2


 スソはチームの攻撃の要ですので、彼を外すという選択肢はあり得ません。それに守備に奔走させるというのも合理的ではないでしょう。

 ですが4-4-2の右サイドハーフを任せる以上ある程度の守備は必須です。まして今回は格上のユヴェントスが相手。
 今までは何とかなっていた部分も、彼らが相手では流石に通用しませんでしたね。

 

ミランのシステム変更

 その後もユーヴェがディバラ、ピャニッチ、ベンタンクールを中心に中央でボールを回しながらポゼッションし、サイドからクロスを上げてチャンスを作ります。

 しかし、ミランが途中からシステムを4-3-3に変更して中盤の枚数を増やし、守備時にはソリッドな4-5-1の守備ブロックを敷いたことで、ユーヴェはそれまでよりは攻めあぐねていたかと思います。

 ミラン ユヴェントス3


 そしてボール奪取後のロングカウンターに活路を見出すと、39分にはスソがカウンターからドリブル突破し、PA内でパスを受けたイグアインがベナティアのハンドを誘ってミランがPKを奪取。
 しかしそのPKはシュチェスニーによって阻まれ得点ならず…。

 
 どちらかと言えば、これはイグアインのミスというよりもシュチェスニーが素晴らしかったと思います。



後半

後半序盤~中盤の攻防

 後半も前半からの流れを引き継いだような展開に。
 ユーヴェは前半と同様に前からのプレス(3トップでボールをサイドに誘導、そこからボールサイドのインサイドMF1人+SB1人でプレス)とリトリート(4-3-2-1or4-4-1-1)を状況に応じて使い分けており、ややペースを落としていた感じでした。

 ミランも攻めあぐねていましたし、1点リードしているのでこのままの流れでいけると考えていたのでしょうかね(実際にそうなりましたが…)。


 状況を打開したいミランはクトローネを投入して4-4-2にシステムを変更。

 これにより攻勢を強めたミランでしたが、キエッリーニ・ベナティアのCBコンビの粘り強い守備により決定機までには至らず。また、攻勢に出たことで2ライン間に大きなスペースが生まれてしまい、そこをロナウドに使われピンチを迎えるといった場面もちらほら。

 まぁどうしても点を奪わなければならないのでこれはしょうがないですね。


決定的な2点目と退場劇

 ミランが決定機を迎えられないまま試合が進むと、81分、ユヴェントスのロナウドが追加点を奪って試合を決定づけました。



 その数分後には怒りが頂点に達したイグアインが退場。




 結局、後半はほとんどチャンスを作れずに試合終了。


まとめ

 負けはしたものの、思った以上にやれた(ボコボコにされなかった)という印象です。
 ただ後半は明らかにユーヴェもペースを落としていましたし、明確な実力差は感じましたけどね。

 ようやくこの長い過密日程も一端終わり、代表ウィークに入ります。
まずは休むことのできる選手にはしっかり休んでもらいたいですね。

 しかしそれと同時に戦術面の向上をとにかくお願いしたいです。
 個人技主体のサッカーでは限界があると思うので。


 次節の相手はラツィオです。
 CL権を争うライバルクラブですし、CLのためにもこの試合は絶対に負けてはいけません。

 アウェーですし最低でも引き分け、できれば勝利を掴み取って欲しいですね。


Forza Milan!



最後まで読んでいただきありがとうございました。


[ 2018/11/13 18:57 ] 試合 解説 | TB(-) | CM(0)

【EL第4節】 ベティス対ミラン 【マッチレポート】



スタメン

ベティス ミラン1


前半


ベティスのボール支配

前半は一方的なベティスのペースでしたね。
 「スタメン図」にある通り、ベティスの攻撃時のシステムは3-4-2-1。一方のミランの守備は5-3-2のミドルブロックが基本でした。

 つまり、ミランの2トップに対してベティスのCBは3人と数的優位を保っており、またミランのプレスが緩かったこともあって悠々とボールを回せていましたね。

 ポゼッションを確立した後は、ハーフウェイライン付近で3CB+両ボランチでボールを回してミランのプレスを誘発し、それにより空いたスペースへと縦パスを入れていくという形によってボールを前進させていたと思います。

ベティス ミラン2


図示するとこのような感じです。具体的に挙げたこのシーンこそ得点チャンスにはつながりませんでしたが、ベティスはこういった状況を何度も作り出していたかと思います。


ベティス ミラン3


中でも個人的に効果的だと思った前進の仕方は、右サイドに張ったカナレスにボールを預け、ミランの守備陣を左に寄せたところで左(逆)サイドに展開するという形です。
 ベティスが作った決定機はほとんどが左サイドからのものでしたし、ボリーニの守備力の低さやミランのスライド守備の甘さを突いた良い戦術だったかと。


以上のような形でベティスは完全にボールを支配していました。
 
そして13分にロ・チェルソが先制点を奪った後も、少なくとも2度は得点してもおかしくないチャンスを迎えていましたね。


ベティスの守備とミランの拙攻

 ベティスの守備組織は3-5-2が基本でしたが、中盤の3人が逆三角形型ではなく三角形型になるようポジショニングしていたシーンが多かったかなと思います。

 その狙いは相手のアンカーポジションであるバカヨコにタイトなマークをつけることにあったのでしょう。
 この守備が功を奏したのか、ミランは中央からほとんど縦パスを入れられず、そのためサイドに張るボリーニ、ラクサールの両WBにボールを預けるものの、そこから展開できずにボールを失うという場面が目立っていた印象です。

 前半でミランがチャンスを作れたのは、ベティスのCBのパスミスを拾ってカウンターに繋げたとき位のものでしたね…。



後半

システム変更の恩恵

 後半からミランはシステムを3-4-3(チャルハノールとスソの両WG)気味に変更したことで、前半とは違いサイドに張ったスソが起点となることでチャンスを作り始めます。

 一方、2ボランチとなったことや、その一角であるケシエが積極的に前線からプレスをかけに行ったことで中盤のスペースはかなり空いていました。しかし、これも前半とは違いチーム全体がアグレッシブにプレスをかけたことで相手に自由にプレーさせていませんでしたね。

 そして63分にスソが直接FKからゴールを決めましたが、そのFKも左サイドからチャルハノールのロングボールを受けたスソがドリブルを仕掛けた流れから生まれたものでした。




怪我人続出

 同点弾以降もミランが優勢に試合を進めたものの決定機には至らず。
すると80分以降に怪我人が続出。ムサッキオに代えてロマニョーリ、チャルハノールに代えてベルトラッチが入りました。

 終盤はアバーテのミス等もありベティスに惜しいチャンスを作られましたが得点には至らず。試合は1-1で終了しました。


まとめ


 前半の酷い内容を考えると、後半に立ち直って同点弾を奪い、引き分けで終わったというのは評価すべきでしょう。過密日程ですしね。

 3バックについてですが、あまり機能していないのでやめた方が良いのではないかというのが率直な感想です。
 個人的に3バックのメリットとして、CBがDFラインから積極的に飛び出せるというのがあると思うのですが、ミランはラインの維持を重視しているのか、あまりそういった場面が多くありません。

 そのため相手に中盤のスペースを良いように使われ、押し込まれるといった展開がジェノア戦同様この試合でも見られました。

 また、3バックだとスソの置き所がイマイチ定まらないという問題もあります。この試合の後半のように3-4-3気味にして右ウィングに配置するのがベターかもしれませんが、これだと守備が(普段よりもさらに)脆くなってしまうんですよね…。


 さて。次節のELはホームでのデュドランジュ戦です。
 間違いなく格下の相手ではありますが、前回の対戦では苦戦を強いられています。決して油断してはならないでしょう。

 この試合では確実に勝利を収め、最終節の大一番であるオリンピアコス戦に臨みたいですね。


Forza Milan!


最後まで読んでいただきありがとうございました。


[ 2018/11/09 23:32 ] 試合 解説 | TB(-) | CM(0)

【セリエA第11節】 ウディネーゼ対ミラン 【マッチレポート】


スタメン

ウディネーゼ ミラン1


前半

ミランの攻撃とウディネーゼの守備

ミランの攻撃は丁寧なビルドアップで相手のプレスを交わし(この試合のウディネーゼのプレスはさほど脅威ではありませんでした)、サイド深くまでボールを運んでSHとSBの連携を中心に崩していくというもの
 また、時にはイグアインが下がって中央エリアでボールを引き出していました(負傷交代後はその役割をそのままカスティジェホが担当)。

 対するウディネーゼは5-3-2のミドルブロックを基本にしつつ、時には(ゴールキック時など)前からプレスを仕掛けに行くという守備戦術。
 ミランのサイド攻撃に対してはボールサイドのインサイドハーフとWBが基本的に対応し、場合によってはCBが飛び出していくことでミランに対し数的同数~優位を形成していましたかと思います。


ウディネーゼの攻撃とミランのライン間

 ウディネーゼの攻撃はサイドを起点にし、そこから中央の2トップにボールを入れていくというもの。シンプルではありますがこれが結構効いていました。

 ミランの守備は4-4-2のミドルブロックが基本でしたが、特に右サイドのスソとアバーテの位置がかなり脆く、その周辺からチャンスに繋げていたかと思います。プセットやデ・パウルのミドルシュートは強烈でしたね。

 そしてもう1つ強調しておきたいのが、DFラインと中盤の間がかなり空いていたということです。

ウディネーゼ ミラン2


 上図は前半の中盤にあったその典型的なシーンですが、いとも容易くライン間にパスを通してしまっており、この流れから惜しいチャンスを作られてしまっています。

 思うに、誰がボールホルダーにチェックに行くのか、そして、ある場合においてラインの高さは維持するのか下げるのか、ボランチはスペースを埋めるのか相手に付くのかといった約束事がまだチーム全体に浸透できていないのかなと。

 個人的にはDFラインを下げるタイミングをもう少し遅らせてもいい気がしますね。



試合展開

 試合展開に目を向けますと、後半もそうでしたが一進一退の攻防だったということが出来るかと思います。

 ミランはスソやクトローネが何度かいい形でシュートを打ちましたが決めきれず。
対するウディネーゼもミドルシュートやダイレクトシュートを中心にゴールを襲いましたが無得点に終わりました。


後半


カスティジェホの躍動とウディネーゼのミス

 試合の流れは上述の通り一進一退といった感じでしたが、個の選手に目を向けますと途中から入ったカスティジェホが躍動してくれました。

 ビルドアップの際には相手のライン間でボールを引き出してチームを前進させ、フィニッシュの局面では惜しいミドルシュートやラストパスを供給。守備にも献身的に走るなど精力的な動きでチームを勢い付けていましたね。

 また、押し込まれ気味のウディネーゼはビルドアップの場面でパスミスを連発し、ミランはカウンターからもチャンスを作っていきました。


最高のカピターノ

 スソがカスティジェホのパスから完璧な決定機を迎えるも決めきれず、気づけば試合はスコアレスでアディショナルタイムに突入。ウディネーゼはCBを投入するなどして引き分け上等という感じでした。

 しかし97分、相手のボールを奪ったミランが決死のカウンター。最後はカピターノであるロマニョーリが左足を振りぬきネットを揺らしました。



 当初はオフサイドということであわやノーゴールとなりかけましたが、VAR様により判定が覆りゴールが認められました。



どう見てもオンサイドですね。なぜこれでオフサイド判定したのか…。


とにもかくにも試合はこれで終了。劇的な幕切れでしたね。


まとめ

 前節に引き続き、劇的な決勝ゴールでミランが勝利しました。
 そして何よりクリーンシートで終えられたというのが嬉しいですね。

 内容に関してはまだまだですが、過密日程や怪我人の多さを考えれば勝利だけで御の字でしょう。

 また、バカヨコやカスティジェホといった控え選手が良いプレーを見せたというのは朗報ですね。
 特にバカヨコはビリアの離脱により、今後はスタメンで出る機会が間違いなく増えますから、この調子を維持してほしいですね。

 さて、ELのベティス戦を挟み、いよいよ次節はユヴェントス戦です。
 引き分けすら極めて難しいとは思いますが、逆に考えるとこの試合に引き分けあわよくば勝利なんてことになればチームは間違いなく勢いに乗るでしょう。期待したいですね。


Forza Milan!
 
最後まで読んでいただきありがとうございました。



[ 2018/11/07 02:02 ] 試合 解説 | TB(-) | CM(0)

【セリエA第1節】 ミラン対ジェノア 【マッチレポート】


スタメン

今節のミランのフォーメーションはかなり複雑というか、時間帯によって結構変わっていてどれが基本システムかイマイチ自信がないので参考程度に参照ください。

ミラン ジェノア1

 

前半


攻撃時における、ミランの流動的なシステム変更

 この試合のミランの攻撃時は、スソとケシエのプレーポジションに応じてシステムが流動的に変わっていた印象です。

 例えば、試合序盤ついて。ケシエは常にワイドに張ってピッチの幅を取る役割を担い、スソは中央に絞っていました。
また、2ボランチのバカヨコとチャルハノールの関係性についてですが、バカヨコが下がってボールを引き出し、逆にチャルハノールはポジションを上げてボールが来るのを待っていたシーンが目立ちました。

 すなわち(序盤の)攻撃時のフォーメーションは3-1-4-2のような形だったかと思います。

ミラン ジェノア2

 序盤のジェノアは普段とは違うミランの試合への入りに戸惑ったのか、激しいハイプレスもあまりありませんでした。


 しかし試合が進むにつれ、ケシエが中に入ってスソがワイドに開く形も増え始めました。
おそらくその原因は、バカヨコにちゃんとマークが付いたこともありパスを効果的に回せなくなったことでしょう。ケシエがバカヨコの横にポジショニングするケースが多々ありましたね。


ミランの守備とジェノアの拙攻

 ミランの守備の際のフォーメーションは5-3-2、もしくはスソが戻りきらず(戻りきれず?)に3トップを維持する5-2-3のような形でした。

 対するジェノアの攻撃ですが、ビルドアップについては後方で数的優位ができていることもあり問題なく行えるものの、引いて守ってきたミランDF陣を崩し切ることは途中までほとんどできませんでした。

 観ていて何となく感じたのが、ジェノアはあまり中盤を使わず前線へロングボールを蹴ることが多いかなというものでした。
ミランは基本的に3人(時には2人)で中盤を守っていたので結構スペースがありましたが、そこを有効活用しようとする意識がなかったかなと。


試合展開~絶好調スソとジェノアの反撃~

 試合展開に目を移しますと、早くも4分にスコアが動きました。
今季ここまで絶好調のスソがミドルシュートを突き刺し、ミランが先制します。



ミラン ジェノア3

 このシーンでは、上述の通りケシエがワイドに開き、スソが中に入ってボールを受けています。
またこのシーンでは前線の選手たちがエリア前に張ることでDFラインを釘付けにし、相手はやむなくスソが侵入するバイタルエリアを開けてしまったという見方もできるかと思います。


 試合展開に戻りますが、その後のミランは停滞。対するジェノアも上述の通りチャンスを作れず試合は膠着状態に。
前半も終盤になりようやくチャンスを作り始めるジェノア。ミランは中央に人数をかけた守りをしていたこともあり、ジェノアはサイドに人数をかけて突破し、そこからクロスを上げてチャンスを作っていた印象です。

 最大の決定機は40分のピョンテクへのクロス。これは惜しくも合いませんでした。


 というわけで前半はミランの1点リードで終えました。


後半


恒例の失点

 後半開始から10分後。バカヨコが自陣エリア内で無理に繋ごうとしたものの相手にボールが渡ってしまい、その相手の折り返しのクロスをロマニョーリが防ごうとした結果オウンゴールとなってしまいました。



 これでミランはリーグ戦16試合連続失点。ある意味凄いです…。

 その後はミランがポゼッションするも攻めあぐね、バイタルエリア付近でのミドルシュートに頼る一方、ジェノアがカウンターからクアメへのロングボールを起点にチャンスを作っていく展開に。


4-4-2への変更、そして…

 痺れをきらしたミランは63分、ラクサールに代えてアバーテを投入し、システムを4-4-2に変更します、

 これによりやや安定感を取り戻したミランが優勢でジェノアを押し込んでいく展開でしたが、GKラドゥのファインセーブもあり得点が奪えません。

 しかしアディショナルタイムにドラマが待っていました。ラドゥが前に飛び出してパンチングで弾いたボールに対し、ロマニョーリがダイレクトシュート。ボールはキーパーの頭上を越えてネットに吸い込まれました。



試合はここで終了。苦戦はしたものの、ミランがホームで勝ち点3をもぎ取りました。


まとめ

 内容的には満足できませんが、最後の最後で勝利という結果を手にできたという点はやはり嬉しいです。
これで4位浮上ですからね。このままの順位で終えられたら最高ですが、そのためにやるべきことは山積みです。

 次に3バックについてですが、できればやめて欲しいかなーというのが本音です。
本来このシステムで輝けるはずのカルダーラ、コンティもいませんし、4-4-2といったシンプルなシステムを突き詰めていった方が良いのではないかと個人的には思います。

 さて、次節は日本時間でいうと月曜の早朝、相手はウディネーゼです。
彼らは現在不調ではありますが、ミランにとっては過密日程ですし、何より今日のような試合内容では足元を掬われる可能性も充分考えられます。

 内容も改善した上で勝利してほしいと思います。

Forza Milan!


最後まで読んでいただきありがとうございました。


[ 2018/11/01 19:53 ] 試合 解説 | TB(-) | CM(0)

【セリエA第10節】 ミラン対サンプドリア 【マッチレポート】





スタメン

ミラン サンプドリア1


前半


両チームのシステムと、ミラン優勢の理由

この試合のミランのシステムは、上述の通り4-4-2といういつも(4-3-3)とは違うものでした。
しかし攻撃の際のプレー原則はいつもと変わらず、後方からしっかりと繋いでいくというもの。

しかし普段であれば相手のプレスに苦しめられるミランですが、この試合(の特に序盤)では比較的すんなり回せていました。
思うに、その主な理由はミランとサンプドリアのシステムの噛み合わせにあるのではないかと。

ミラン サンプドリア2


ミランは後方中央にCBとボランチを合わせて4人が位置。
一方、サンプドリアは守備時にも4-3-1-2の陣形を崩すことはないため、前線の第1プレスには2トップとトップ下が担当していました(ちなみに両インサイドハーフはミランのSBを担当)。

つまり、システム上、中央は常に4対3の数的優位が生まれているわけですね。

また、今日のSBには対面の相手を交わそうとする意識が強く、特に左SBのリカロドは好調からかほとんどボールを奪われることはありませんでした。ビリアのサポートも効いていたと思います。

さらに言うと、そもそもサンプドリアはあまり前線からプレスをかけるチームというよりは、縦にも横にもコンパクトなゾーンディフェンスを主な守備戦術として採用しているというのも理由としてはあるでしょう。この試合でも、リトリート時には見事なゾーンディフェンスを披露していました。


幸先の良い先制点と大ベテランの妙技

さて、試合展開に目を向けますと17分、スソの最高のクロスからクトローネが得意のヘッドで決めて優勢だったミランが先制します。



スソとクトローネは昨年から好連係を見せていますし、相性がよさそうですね。


しかしその数分後の21分、後方からのロングボールを完璧にトラップしたクアリャレッラがカウンターを開始。エリア内でサポナーラに渡ると、そのサポナーラがカラブリアとの駆け引きを制してゴール右隅にシュートを突き刺しました。

その十分後の31分、今度はサポナーラが右サイドからエリア内へクロス。そのボールをクアリャレッラがボレーで決めてあっさりとサンプドリアが逆転に成功します。

元ミランのサポナーラも素晴らしいプレーでしたが、個人的にクアリャレッラの落ち着き払ったプレーぶりにはただただ驚嘆するばかりです。

一瞬で仕事をしますからね。これぞセリエAのストライカーです。


スソとクトローネとイグアイン

サンプドリア2点目の前後から、彼らは前から厳しくプレスをかけるようになったため、ミランはそれまでのようなボール回しが出来にくくなっていたかと思います。

そんな中36分、スソのロングボールを起点に、クトローネとイグアインがワンツーで中央エリアを崩して最後はイグアインが同点弾を決めてくれました。



前日のプレビュー記事で「2トップの関係性」、「スソのパフォーマンス」を注目ポイントに挙げていましたが、結論を簡潔に言います。

どちらも最高でしたね。



そして試合は2-2で前半を終えました。


後半


2人のMOM

後半も前半とおおむね同じ展開に。

この試合のミランの主な崩しの形として、サイドチェンジの多用というものがありました。
これは前半からでしたが、ミランはサンプドリアのコンパクトな陣形に対し、逆サイドで空いている選手に頻繁にロングボールを送り込むことでプレスを回避しチャンスに繋げていましたね。

そしてこの攻撃戦術は3点目に繋がりました。

ミラン サンプドリア3


62分、リカロドからのロングフィードを受けたスソが、対面のDFとの駆け引きで圧倒。そのまま得意の形で得意のコースにシュートを突き刺しミランが逆転します。



この試合のリカロドは間違いなくリーグ最高のSBだったと思います。
安定したパス出し、粘り強い守備、そしてこのシーンの美しいロングフィード。

何よりこの試合に勝つという気迫を感じましたし、本当に本当に素晴らしかったです。

ちなみに「2人のMOM」とはスソとリカロドのことです。やや矛盾した表現ですが、どちらも本当に甲乙つけがたい出色のプレーだったのでご容赦ください(笑)



その後はサンプドリアが前に出てきて同点弾を狙いますが、中をしっかり固めたミランを相手に決定機はほぼ皆無だったかと思います。
一方ミランはスソを中心にカウンターから惜しいチャンスを作りだしていました。


試合はそのまま終了。ミランが3-2でサンプドリアを破りました。



まとめ


インテル戦は緊張からか、ベティス戦はダービー敗戦のショックからかほとんど良いプレーを見せられずに敗北。

そういった2試合を経てのこの試合でしたが、選手たちからは気迫を感じました。ようやくガットゥーゾのミランが戻ってきたという感じです。

次に新システムの4-4-2についてですが、今後はこのシステムを基本軸に据えても良いのではないかと個人的には思います。
この試合ではチームの攻撃の中心であるイグアイン、スソが躍動。そこにミランの宝であるクトローネが絡んで更に攻撃力を高めました。

今季、ここまで4失点だったサンプドリア相手に3点を奪ったわけですからね。とにかくこの3人は素晴らしかったと思います。

守備についてはまたしても失点してしまいましたが、これまでの4-1-4-1と4-4-2(もしくは4-3-1-2)を状況に応じて使い分けるシステムに比べ、そのまま4-4-2で守備する今の方がシンプルですし守りやすいのではないかなと思います。
このシステムを成熟させていければ、念願のクリーンシート達成もいけるのではないでしょうか。


さて、この試合の勝利によりミランはなんと5位に浮上。他チームの試合との兼ね合いもありますが、未消化分のジェノア戦に勝利すれば4位浮上もあり得ます。

ジェノアもまた難敵ですし、決して油断はできません。しかし勢いそのままに勝利してほしいと思います。

Forza Milan!



最後まで読んでいただきありがとうございました。

[ 2018/10/29 19:05 ] 試合 解説 | TB(-) | CM(0)

【EL第3節】 ミラン対ベティス 【マッチレポート】

スタメン
ミラン ベティス1


前半

ベティスの攻めと先制点

前半を通じてミランは拙攻に終わり、枠内シュート0という記録を達成してしまったため省略。まずはベティスの攻め方を見ていきましょう。
ベティスの有効だった攻め手は大きく分けて2つ。1つは中途半端に高いミランのDFラインの裏(特にCB-SB間)へのパス。そしてもう1つがサイドに張っている両ウィングバックへの(ロング)パスです。

この試合のミランの守備がいつも以上に緩慢(というより極めて受動的)だったこともあり、ベティスは両サイドや裏へ素早くパスを展開することでチャンスを作っていたかと思います。

そんなこんなで30分、ベティスが先制。

ミラン ベティス2

上図はベティスの先制ゴールを決める少し前のシーンを図示したものです。このシーンでも彼らは左ウィングバックへのロングパスを起点にしてゴールに繋げました。

話は少しそれますが、このシーンのミランの守備はかなり酷いと感じました。これだけ前掛かりかつ中央に人が密集しているにも関わらず、相手への寄せが非常に甘いというのはどうなのでしょう。
カナレスのマークを担当しているはずのボナベンでしたが、このシーンではなぜか一端プレスを躊躇し、その後ゆっくりとプレスをかけにいっています。
そのため大したプレッシャーのないカナレスは悠々と正確なロングボールを送り込めていました。


2つ疑惑のシーン

先制後もベティスは2つの決定機を迎えたわけですが、1つはオフサイド、もう1つはGKレイナのエリア外への勇気ある飛び出しによっていずれもゴールとはなりませんでした。

しかし、前者に関しては明らかにオンサイドのように見えましたし、後者に関してもレイナがハンドを犯していたのではないかという疑惑がありました。


試合はベティス優勢のまま前半終了。


後半

決定的な2点目

後半からミランはボリーニ、バカヨコに代えてクトローネとスソを投入。
フォーメーションを4-4-2(もしくは3-4-3?)に変更して勝負に出ます。

しかしその十分後、ロ・チェルソに見事なゴールを決められ2点差に広げられました。

ミラン ベティス3

上図は2点目の少し前のシーンですが、この場面でミランは上手くプレスをかけて相手を追い詰めることに成功しています。
しかし、カルヴァ―リョのボールを奪いに行ったビリアが交わされ、ファールで止めようとしたものの止められずに突破を許し、一転してピンチを迎えてその流れから失点してしまいました。

こういう失敗が積み重なると選手たちのメンタルに悪影響を与え、プレスにも積極果敢にいかなくなりそうで嫌ですね…。


クトローネの孤軍奮闘

最低でも2点が必要となったミランは攻勢を強めていき、ベティスがやや勢いを落としたこともあり押し込んでいきます。
その際のフォーメーションは随分とカオスでしたね。おそらくクトローネとイグアインが横並びの2トップで並び、その右付近にスソが位置し、中央にはビリアとボナベンがポジショニング。左サイドはラクサールが走り回り、中央~右サイドをカスティジェホが動き回るといった形でしょうか。

そして、この状況の中で一番輝いていたのが間違いなくクトローネでした。単騎でのプレスはあまり効果的ではありませんでしたがやる気は感じましたし、それまでのミランに欠けていた積極的なオフザボールでの動き出しにより何とか点を取ろうと頑張っていました。

すると83分、カスティジェホのクロスに合わせて得点を奪取。素晴らしい活躍でした。


しかし試合はというと、ミランはこれ以上の追加点を挙げることはできずに試合終了。ベティスに敗戦を喫しました。


まとめ

う~ん…。正直ミランにとっては酷い内容の試合だったなぁというのが率直な感想です。
ベティスは個々のクオリティは高かったもののパスミスも少なくありませんでしたし、そこまで調子は良くなかったはず。それにもかかわらず、本拠地でゲームを支配されるというのはかなり情けない話です。


また、ELとはいえ流石に今のバカヨコとボリーニをスタメンで出すというのも疑問です。それならばいっそのこと、調子の良いクトローネを始めから出すために4-4-2システムで臨んでも良かったんじゃないかなと思います。

確かにその場合は純粋なCFの控えがいなくなるという問題はありますが、それに囚われた結果、最善を尽くさずに目の前の試合に負けるというのは本末転倒かなという気がします。


今日の敗戦により首位陥落、そして3位オリンピアコスとの勝ち点差が「2」に縮まってしまいました。
ともすればGLで敗退という可能性も否定できません。

幸か不幸か、次節は敵地でのベティス戦です。
今度こそ彼らに勝利し、首位を奪還してほしいですね!


最後まで読んでいただきありがとうございました。



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[ 2018/10/26 23:24 ] 試合 解説 | TB(-) | CM(0)

【セリエA第9節】 インテル対ミラン 【マッチレポート】

スタメン

ミラン インテル1


前半

インテルの守備と、いつも通りのミランの攻撃

この試合のミランもいつもと同様、後ろからじっくりと繋いでいくポゼッションサッカーを志向します。
しかし、これまたいつものように相手のハイプレスに対し手を焼く展開に。

ミラン インテル2


上図はあくまで試合中のプレスの一場面に過ぎませんが、これに沿って説明します。

まずはイカルディナインゴランがミランの2CBと対峙して中央へのパスコースを遮断。その後SB(上図でいうと右のカラブリア)へとボールが渡ったところでイカルディはそのままボールサイドのCBに、ナインゴランは下がってビリアにマークに付きました。カラブリアに対してはペリシッチ、下がってきたスソに対してはアサモアが付いて行って自由にさせません。
一方、反対側のサイドのポリターノは内に絞ってロマニョーリへのパスコースをも遮断。これにより近くのパスコースがなくなったカラブリアは敢え無くロングボールを蹴りました。

これはミラン側右サイドでの攻防の場面を切り取ったものですが、インテルは左サイドでもおおむね同じ形でプレスをかけていましたね。
このようなプレスに対し、ミランは有効な打開策を持つことなく相手の狙い通りにボールを失い続けましたね…。


インテルの攻撃と、いつも通りのミランの守備

ミランの守備は4-5-1のミドルブロック(ハーフウェイライン付近でブロックを敷くこと)を基本としつつ、プレスに行く際はインサイドハーフが1トップと横並びの関係になることで4-4-2を形成するという「いつも通りの」守備を採用。

ミラン インテル3

ミラン インテル4

ミラン インテル5


これに対しインテルは、攻撃時にはベシーノを1列上げて4-3-3とし、両インサイドMFがビリアの両脇のスペース(俗にいう「ハーフスペース」)に位置してパスを引き出そうとします。
個人的な印象ですが、ミランは前半に関しては比較的上手く守れていたかなと思います(後半になるとどんどん縦パスを通されていましたが)。


試合展開

試合展開に目を移しますと、両チームともにネットを揺らしましたがオフサイドにより認められず。
ミランはこれ以外ではほとんどエリア内でチャンスを作ることが出来ず、一方のインテルも決定機を迎えるまでには至らず前半を終えました。


後半

いつもと違う采配

後半もインテルペースで試合が進みます。
また上述の通り、前半よりもバシバシと縦パスが通るようになりました。
この理由としては、イエローカードと軽い怪我を負ったビリアがタックルにいけなくなったことやケシエ・ボナベンの疲労、ブロゾビッチ―バレーロ間の連携が素晴らしかったことなどが挙げられるでしょう。

劣勢のミランは途中からスーパーサブのクトローネをチャルハノールに代えて投入。
しかし、普段はここでイグアインと2トップを組ませるのですが、なんとクトローネをそのままチャルハノールの位置(左ウィング)で起用するというやや不可解な采配を見せました(試合後にガットゥーゾはこの采配について「戦術的バランスを崩したくなかった」といった旨の発言をしています)。

案の定というべきか、クトローネはその位置ではほとんど効果的なプレーが出来ませんでしたね。

その後はバカヨコ、アバーテと投入して引き分け上等の姿勢を強めたミランでしたがアディショナルタイム、一瞬の隙を突かれてしまい相手のカピターノであるイカルディに値千金の決勝ゴールを奪われ試合終了。


まとめ

楽しみにしていたミラノダービーですが、何というか色々と非常にショッキングな試合になってしまいました。

最後の最後で失点して負けてしまったというのも残念でしたが、何より悲観すべきはいつものサッカーが全く通用しなかったことです。
攻守両局面においてインテルに対策を練られたことで機能不全に陥り、枠内シュート僅か1本という惨憺たる結果に終わりました。

確かにこの試合のガットゥーゾの采配には疑問が残りますし、普段のように4-4-2に変更して勝負に出れば違う結果になっていたかもしれません。

しかし、何より問題視すべきはベースとなっている戦術ではないでしょうか。
後方からの頑ななショートパスによるビルドアップ、狙いの見えにくいハイプレス(この試合においても、後方からの連動したプレスがないことにイグアインが何度も不満を露にしていました。)、アンカーの両脇のスペースの管理不足といった点はすぐにでも改善すべき箇所だと思いますが、残念ながらその兆しは見られません。

こういったベースとなる戦術が安定しない内は、継続的に勝ち点を積み重ねていくのは難しいと個人的には思います。


最後に

…なんだか随分と辛口な感想になってしまいました。気分を害された方がいましたら本当に申し訳ないです。

ただこれは好敵手であるインテルに負けた悔しさ、そして何よりミランには強くあって欲しという思いから湧き出たものであり、決してミランを悪く言いたいだけではないということをご理解いただけたらと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございました。



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[ 2018/10/24 02:50 ] 試合 解説 | TB(-) | CM(0)